今月の一枚

毎月一枚づつ紹介して行くと言いながら、早幾年。(^_^;)
気長に次を待たれたし。

GROVER WASHINGTON,jr/WINELIGHT(1980)

スタンリークラークが昔、雑誌のインタビューでこう語っていた。「近頃のサックスプレイヤーときたら、どいつもこいつもサンボーンか、グローバー、どちらかのものまねしているやつばっかりだ。云々、、、」
スタンリーは、新しいスタイルを持った良いサックスプレイヤーがなかなか見つからなくて困っている様子だったが、なるほど、いかにこの二人のサックスプレイヤーが偉大なのかが、よくわかる話である。

そんな偉大な、今はなきサックスプレイヤー、GROVER WASHINGTON,jrがRalph MacDonaldをプロデューサーに迎え、1980年に発表したこのアルバムは、その年のグラミー賞を受賞している。これは名盤中の名盤と言って良い。
が、なんじゃこのベタベタなジャケットは!!サックスの前にワイン置いて「ワインライト」かい。そのまますぎる!

ベーシストとして注目すべきは、やはりなんといっても若手新人のころのマーカスが参加しているところだろう。
この時のマーカスはまだ若干22歳ぐらいだったと思うが、(マーカスって何年生まれだっけ?)まるで「酸いも甘いもかみ分けた」様な、いぶし銀プレイで、周りのそうそうたるベテラン天才プレイヤー達と渡り合っている。必聴。

この早熟の天才のプレイに、当時10代だった僕は夢中だったなあ。
ついでに語っておくと、僕は25歳ぐらいまでのマーカスのプレイがとても気に入っている。もちろん、今のマーカスは、文句のつけ様が無いくらい素晴らしいが、このころのプレイの方が、がむしゃらさや、泥臭さみたいなのがあって好きだ。

このアルバムの素晴らしさは、今なお多くのアーティスト達にカバーされ、演奏されている名曲「Just To Of Us」が収録されていると言う事だけでは決してない。ジャケットの写真以外は大変味わい深い一枚なのだ。



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田博司 植田博司