測量機器の点検

 ここではレベル・トランシット・トータルステーションの点検の仕方について列記しました。ここの文章は以前のISOの要領書から引用しています。


§日常行うべき点検

1.外観目視によるチェック
  ・凹みの有無
  ・汚れ/錆の有無
  ・破損の有無
  ・レンズ・プリズムの曇りや汚れの有無
  ・校正周期の期限内であるか
  ・各種気泡管及び気泡の異常の有無

2.触手感覚によるチェック
  ・ネジのガタの有無
  ・回転軸の異状の有無

§受入れ時、定期点検及び返納時点検で行う精度に関する測量機器の点検

1.レベル
 a)円形気泡管、b)自動レベルの自動補正機構及びc)視準線の水平が正常であるかを点検します。

 a)円形気泡管の点検

 @ 整準ネジで円形気泡管の気泡を○印の中央に入れる。
 A 器械を水平に回転させた時、360°全周で円形気泡管の気泡が○印の中心に位置することを調べる。

 b)自動レベルの自動補正機構の点検(補正範囲内であれば、器械が傾いても視準線が自動的に水平位置に戻ることを調べる)

 @ 整準ネジで円形気泡管の気泡を○印の中央に入れる。
 A 十字線と目標物を見ながら、視準軸に近い整準ネジを左(または右)に少し回す。 整準ネジを回した後、十字線がすぐに元に戻るかを点検する。
 B 十字線が戻れば正常。戻らない場合は修理が必要。

 c)視準線の水平の点検 (視準線が水平であるかを調べる。)

 @ 30〜50m離れた点A・Bのほぼ中央で a1とb1を読む。(下図)

 A 点Aから2m程度の位置に器械を設置し、再びa2とb2を読む。このとき望遠鏡はBを視準した状態にしておく。(下図)

 B b2'=a2-(a1-b1)を計算して、b2'=b2であれば焦点板十字線は正常。等しくない場合は、修理が必要。

2)トランシット
 a)横気泡管、b)光学垂球、c)水平軸(横軸)の水平度及びd)視準線の水平軸(横軸)に対する直角が正常であるかを点検します。

 a)横気泡管の点検(平盤気泡管の鉛直軸に対する直角の精度)
 ・気泡管は硝子(ガラス)でできていて、温度、湿度の変化やショックに対して微妙な変化をするので、使用前になるべく点検を行う必要がある。
 ・気泡が異状に長くなった場合は、気泡管にヒビが入っている可能性があるので、気泡管を交換する。

点検方法
 @ 整準ネジABを結ぶ線に気泡管を平行に置く。

 A 整準ネジABで気泡管の気泡を中央に導く。

 B 本体を180°回転し、気泡が中央にあるかを確かめる。(中央にあれば正常である。)

 C Bで気泡が中央にあれば、本体を90°回転して、気泡管をBの状態に対し90°の方向に向け、調整ネジCで気泡を中央に導く。
 D この時円形気泡管の気泡が中央にあるかどうかを確認する。

 b)光学垂球の点検
 ・測点上に三脚を設置し、器械を載せて整準、求心を行う。
 ・本体を180°回転し、光学垂球を覗き、測点がずれていないかを確認する。ずれていない場合は、正常である。

 c)水平軸(横軸)の水平度の点検(水平軸《横軸》の鉛直軸に対する角度の精度)

 @ 本体を三脚上に据え高所にあるA点を視準する。
 A 上盤、下盤固定のまま望遠鏡をそのまま下方に向け、地上にB点を記録する。(白紙またはスケールを用いる)

 B 上盤クランプをゆるめ・上盤を180°回転させ、望遠鏡も反転して反位にし、再びA点を視準する。
 C Aと同様に上盤、下盤固定のまま望遠鏡をそのまま下方に向け地上にC点を記録する
 D B点とC点が一致すれば正常である。

 d)視準線の水平軸(横軸)に対する直角の点検

 @ 本体を三脚上に据え大体整準する。
 A 望遠鏡の前方(30〜50m)に目標点Aを設け、望遠鏡正の位置で視準する。

 B 後方(30〜50m)にモノサシを設置。
 C 望遠鏡を反転して(上盤、下盤固定のまま)反位にし、モノサシを視準して目盛 B を読む。

 D 望遠鏡反位のまま、上盤を回転し、再び点 Aを視準する。

 E 再び望遠鏡を反転して(上盤、下盤固定のまま)正位にし、モノサシを 視準して目盛 C を読む。
 F B点と C点が一致すれば正常である。

《参考》
  ・50m の距離の 1o は 4″、十字線の太さは約3″です。
  ・JIS規格では 10″ 以下と規定されています。(水平軸と基準軸の直交度)

3)トータルステーション
 測定した距離の精度(誤差が基準値以内)が正常であるかを点検します。

 @ 約100m の距離をとれる平坦な場所 A・Bをさがし、ほぼ中央にC点を設置する。
 【注意】器械高と視準高が同じ高さになるよう設置する。特に平坦でない場合は、自動レベルを使用して同じ高さにする。

 A A点に光波距離計を据え付けて精密測定で水平距離ABを10回測定する。
 B C点に光波距離計を据え付けて精密測定で水平距離CA・CBをそれぞれ10回測定する。
 C AB・CA・CBの各10回測った距離の平均値を求める。

 D 測定距離 Kを計算する。
   K=AB−(CA+CB)
 これを 2〜3回求め、Kが 1回でも ±5o以内にあれば調整は不要である。
 全て ±5oを超えた場合は、校正にだす。