土圧および水圧
●土圧
土が崩れようとするのを支えるためにいろいろなタイプの土留め壁が用いられているが,これらの壁体の背面の土が壁体に及ぼす圧力を土圧といいます。
●土圧の種類
壁体が静止している場合に作用する土圧を静止土圧といい,この壁体を背面の土から少しだけ離れるように移動したとき,土は膨張し土圧が減少し最小値となり破壊する。
この最小値の土圧を主働土圧(Pa)という。
壁体が水平方向に土を押し付けると,土は圧縮され,土圧は最大値に達し,これ以上強く押すと土は破壊し上方へ押し上げられる。
この最大値の土圧を受働土圧(Pp)という。
●土圧係数
土は内部摩擦角や粘着力によりせん断強さを持っているので土が崩れようとするのを土のせん断強さで抵抗するため,
ある深さの土圧応力Ph(水平方向)はPv(垂直方向)より小さい値となる。
つまり、深さzの点の土かぶり圧(鉛直応力)はPv=γt*Zであるので,
この Pv と Ph の比を K とおくと
Ph/Pv=Ph/(γtZ)=K
この K は,土のせん断強さによって決まる係数で,土圧係数と呼んでいる。
土圧の計算式はいずれも P=(1/2)γtH2Kで表されるが,土圧係数はそれぞれ,
主働土圧係数 KA
受働土圧係数 KP
静止土圧係数 K0 が用いられる。
●土圧の計算
現在用いられている土圧を計算する理論のなかに、古典的土圧論といわれるクーロンによるものとランキンによるものがあります。ここでは後の計算例で使用するランキン・レザールの土圧計算式を以下に記します。
Pa=Ka(Σγh+q)-2C√Ka
Pp=Kp(Σγh’)+2C√Kp
ここに,
Pa | 主働土圧(KN/u) | |
Pp | 受働土圧(KN/u) | |
Ka | 着目点における地盤の主働土圧係数 | Ka=tan2(45°-φ/2) |
Kp | 着目点における地盤の受働土圧係数 | Kp=tan2(45°+φ/2) |
φ | 着目点における土のせん断抵抗角(度) | |
Σγh | 着目点における主働側の有効土かぶり圧(KN/u) | |
Σγh’ | 着目点における受働側の有効土かぶり圧(KN/u) | |
γ | 各層の土の湿潤単位体積重量(KN/m3)で地下水位 以下は水中単位体積重量を用いる。 |
|
h | 着目点までの主働側の各層の層厚(m) | |
h’ | 着目点までの受働側の各層の層厚(m) | |
q | 地表面での上載荷重(KN/u) | |
c | 着目点における土の粘着力(KN/u) |
断面計算に用いる土圧
土留め壁,腹起し,切梁の断面計算においては,断面算定用土圧を用います。
砂質土地盤の土圧分布 粘性土地盤の土圧分布
γ:土の平均単位体積重量(KN/m3)
a,b,c:以下の表による
H:掘削深さ
掘削深さHによる係数
5.0m | a=1 |
5.0m>H>3.0m | a=1/4*(H-1) |
地質による係数
b | c | |
砂質土 | 粘性土 | |
2 | N>5 | 4 |
N≦5 | 6 |
●水圧
土留めに作用する水圧は静水圧とし,水圧分布は下図の△ABDで表される三角分布とする。
設計水位は一般に水中では設置期間に想定される最高水位とし,陸上では地下水位とする。
*以上は「道路土工 仮設構造物指針」の慣用法に用いるものです。