| ■1992年9月24日 読売新聞 | |
| NO.1 | マリヴォー作「遺贈」上演 全戯曲目指し第一弾 |
| ■1992年9月24日 産経新聞 | |
| NO.2 | 櫻花舎「遺贈」 |
| ■1992年12月2日 読売新聞 | |
| NO.3 | 18世紀の仏喜劇作家・マリヴォー作品 櫻花舎が「試練」上演 |
| ■1993年2月13日 産経新聞 | |
| NO.4 | マリヴォーの魅力紹介 |
| ■1993年6月11日 読売新聞 夕刊 | |
| NO.5 | 櫻花舎の劇「恋の不意打ち」 |
| ■1993年6月11日 産経新聞 夕刊 | |
| NO.6 | 恋愛のプロセス楽しんで |
| ■1993年10月6日 東京新聞 | |
| NO.7 | マリヴォーの古典劇「恋の不意打ち」を初演 |
| ■1993年10月13日 読売新聞 | |
| NO.8 | 5作目のマリヴォー作品 「恋の不意打ち−その2」 |
| ■1993年10月14日 日刊ゲンダイ | |
| NO.9 | 櫻花舎がマリヴォーの「恋の不意打ち−その2」を |
| ■1994年2月16日 朝日新聞 | |
| NO.10 | マリヴォーにこだわり第6弾 櫻花舎が「二重の不実」 |
| ■1994年2月16日 読売新聞 | |
| NO.11 | マリヴォーの上演6作目 櫻花舎「二重の不実」 |
| ■1994年2月18日 産経新聞 | |
| NO.12 | 櫻花舎「二重の不実」 |
| ■1994年6月3日 朝日新聞 | |
| NO.13 | 愛憎の悲喜劇「変装の王子」 |
| ■1994年1月22日 読売新聞 | |
| NO.14 | 櫻花舎のマリヴォー全作上演 第8弾は「贋の侍女」 |
| ■1995年6月5日 読売新聞 夕刊 | |
| NO.15 | 9作目のマリヴォー「うまくいった策略」 |
| ■1995年6月7日 朝日新聞 夕刊 | |
| NO.16 | マリヴォー劇の第9弾「うまくいった策略」 |
| ■1995年11月25日号 「AP」 | |
| NO.17 | 櫻花舎・マリヴォーシリーズ第10弾! 「いさかい」、「奴隷島」ジャンジャンが贈る、恋愛劇とユートピア劇 |
| ■1995年11月18日 朝日新聞 | |
| NO.18 | ユートピア主題の劇を2本立て上演 |
| ■1996年6月5日 内外タイムズ | |
| NO.19 | 「人物スイッチON」若い子はゲーム感覚でみている |
※記事中の料金、連絡先電話番号などは省略。文中の「マリボー」は「マリヴォー」に、「桜花舎」は「櫻花舎」に、それぞれ改訂。
櫻花舎 マリヴォー作「遺贈」上演
全戯曲上演めざし第一弾
十八世紀フランスの喜劇作家マリヴォーの全作品上演を目指す櫻花舎は、十月二日から四日まで東京・渋谷ジァンジァンで第一弾「遺贈」(訳=佐藤実枝、演出=守輪咲良)を上演する。
マリヴォーは今世紀後半になって人気の出てきた劇作家で、ドイツなどヨーロッパを中心に数多く上演されている。恋愛心理劇を得意としているが、時に残酷で時には策略を平気で弄(ろう)する。それをシニカルでコミカルに描くのが特徴だ。
侯爵(博田章敬)は、六十万フランの遺産を受け継ぐことになった。ただし、遠縁のオルタンス(天祭揚子)を妻にすることという条件付き。さもないと、二十万フランを彼女に与えなければならない。伯爵夫人(三山馨雅)を恋している侯爵は、結婚もせず、金も渡さない方法はないかと思案する。
守輪は「一月に『贋の侍女』を演出して、興味を持った。私たちの、現代日本のものとしてリアリスティックにやれば、非常に面白いと思う。辛口の毒のある喜劇なので、大人の芝居として仕上げたい。三十数本の戯曲を全作上演するのが夢です」と言う。
※三山馨雅と博田章敬の写真付
櫻花舎「遺贈」(マリヴォー作、守輪咲良演出)10月2日〜4日、東京渋谷ジァンジァン。
ボーマルシェと並んで十八世紀フランスを代表する劇作家マリヴォー。櫻花舎による“マリヴォー・シリーズ”の第一弾で、六十万フランの遺産をめぐって繰り広げる恋の駆け引き=写真。第二弾は日本初演の「試練」、第三弾には「愛と偶然の戯れ」を予定。
※三山馨雅と博田章敬の写真付
18世紀の仏喜劇作家・マリヴォー作品
櫻花舎が「試練」上演
4日から渋谷、ジァンジァンで
十八世紀フランスの喜劇作家マリヴォーの連続上演を目指す櫻花舎は、四日から六日まで東京・渋谷のジァンジァンで「試練」(訳=佐藤実枝、演出=守輪咲良)を上演する。
富裕な商人の息子リュシドール(博田章敬)は、買った土地の検分に行って急病になった。そこの管理人の娘アンジェリック(渡辺乃里子)の看病で全快し、二人は引かれ合う。が、財産目当てではないかと疑った彼は、一計を案じて従僕と身分を入れ代わる。日本初演の作品だ。
演出の守輪は「イタリアの劇団のために書いたという典型的なマリヴォー戯曲。どうして、というほど女性がボロボロになってしまう。古典と思わないで、劇場にマリヴォーの登場人物が現れた、という感じの身近な舞台にまとめたい」と言う。ほかに森田浩行、天祭揚子、大原祥鉄らが出演する。
※博田章敬・森田浩行・渡辺乃里子の写真付 ※森田浩行はのちに華島光陽に改名。
NO.4 ■1993年2月13日 産経新聞
マリヴォーの魅力紹介
櫻花舎マリヴォー・シリーズ第三弾「愛と偶然の戯れ」
(マリヴォー作、鈴木康司訳、守輪咲良演出)19日〜21日、東京渋谷ジァンジァン。
ヨーロッパでの人気に対して、日本ではあまり上演されていないマリヴォー作品。これを“現代の生きた作品”として舞台化し、マリヴォーの魅力を意欲的に紹介するのが、櫻花舎のマリヴォー・シリーズである。
昨年十月、渋谷ジァンジァンでスタートし、今回が三回目。第一回「遺贈」、第二回「試練」のあとは、比較的なじみのある「愛と偶然の戯れ」=写真。ボーマルシェとならんで、十八世紀フランスを代表する作家であるマリヴォーの、三十本を超す作品のなかでも代表作と呼ばれるものだ。
貴族の娘シルビアは、結婚相手の人柄を見極めるために召し使いリゼットと入れ替わる。また、貴族の子息ドラントも同じことを考え、召使いのアルルカンと入れ替わる。二人の恋の行方は・・・という物語で、おそらく結果はハッピーエンドだろうと容易に想像がつく。ただし、その結果を納得させるには役者も演出家も相当の労力を使う。
恋のためなら、時に残酷にもなり、策略をめぐらし、あるいは己の自尊心に振り回される人々の心のひだが、シニカルかつコミカルに描かれている作品であり、一筋縄ではいかない。
このしたたかで偉大なる作家に挑む櫻花舎のメンバーに期待したい。
出演は、大原祥鉄、天祭揚子、博田章敬ら。
※博田章敬・天祭揚子の写真付
NO.5 ■1993年6月11日 読売新聞 夕刊
スポット
★櫻花舎の劇「恋の不意打ち」
十八世紀のフランスの劇作家マリヴォーに取り組んでいる櫻花舎は、十一日から十三日まで東京・渋谷ジァンジァンで「恋の不意打ち」(訳=佐藤実枝、演出=守輪咲良)を上演する。
(中略)
また、同劇団は「メソード演技」のワークショップ参加者を募集している。期間は七月十八日から九月二十三日までで、マリヴォーの「いさかい」をグループ別に作るという。
NO.6 ■1993年6月11日 産経新聞 夕刊
「恋愛のプロセス楽しんで」
櫻花舎「恋の不意打ち」(マリヴォー作、佐藤実枝訳、守輪咲良演出)11日〜13日、東京・渋谷ジァンジァン。
ボーマルシェとならんで十八世紀フランスを代表する作家であるマリヴォー喜劇。昨年十月にスタートした“マリヴォー・シリーズ”の第四弾。一七二二年にフランスで初演されたもので、日本では初めての上演となる。
恋人から手ひどい裏切りを受けて、二度と女にはかかわるまいと田舎に引っ込んだレリオ(森田浩行=写真右から二人目)と、近くの屋敷に住む男嫌いの伯爵夫人(三山馨雅=同左から二人目)が、友人の男爵の罠にはまって、滑稽(こっけい)な恋騒動を引き起こす。
演出の守輪さんによれば、ヨーロッパで今、読み直されて人気があるマリヴォー劇をわが国にも広く紹介すべく企画している公演で、「できごとやストーリーはことさらないのですが、作者の鋭い人間観察から生み出されるドキッとするような辛口な部分、恋愛心理劇といわれるプロセスを楽しんでほしい」と話す。現代フランスでも、若者たちに人気がある古典劇だ。ほかに安斎勉、渡辺乃里子ら。
※三山馨雅・森田浩行・英丘礼資・渡辺乃里子の写真付
NO.7 ■1993年10月6日 東京新聞
マリヴォーの古典劇
『恋の〜』を初演
十八世紀フランスの劇作家であるマリヴォーの全作品上演を目指す劇団櫻花舎が、第五作として「恋の不意打ち その2」を渋谷ジァンジァンで公演する。(15〜17日)
マリヴォーの古典劇を現代の感覚で上演しているシリーズ(守輪咲良演出)で、今回の「恋の〜」は日本初演。上演に合わせて佐藤実枝早大教授が初めて翻訳した。天祭揚子らの出演。
NO.8 ■1993年10月13日 読売新聞
5作目のマリヴォー作品
15日から櫻花舎「恋の不意打ち―その2」
十八世紀フランスの喜劇作家マリヴォー作品一筋の劇団・櫻花舎は、十五日から十七日まで東京・渋谷ジァンジァンで、「恋の不意打ち―その2」(訳=佐藤実枝、演出=守輪咲良)を上演する。
美しい侯爵夫人(天祭揚子)は半年前、愛する夫に先立たれ悲しみの日々を送っていた。一方、隣人の騎士(博田章敬)も、熱愛する娘の父親に結婚を反対され、絶望していた。隠とん生活を決意した騎士は、侯爵夫人に恋人への手紙を託すため、隣家を訪れて友情を誓い合うが・・・。
同劇団は昨年十月からマリヴォー作品に取り組み、今度で五作目。演出の守輪はアメリカのリー・ストラスバーグのメソード演技を学んだ。「生きた上演台本にしてもらうため、翻訳家はけいこ場で役者の動きを見ながらせりふ直しをしています」と、マリヴォー独特の言葉の翻訳の難しさを語る。
そして、「古い作品のように思われるかもしれませんが、中、高生のころに経験したような恋愛感情―好きな女の子をいじめるというようなところがあるので、制服の高校生ら若い観客もついてきました」と喜んでいる。ほかに松森光明、守尾青芳らが出演。
※天祭揚子・松森光明・博田章敬の写真付
NO.9 ■1993年10月14日 日刊ゲンダイ
櫻花舎がマリヴォーの「恋の不意打ち その2」を
愛する夫に先立たれ、悲しみの日々を送る若く美しい侯爵夫人。修道院に入った恋人を慕い隠遁(いんとん)生活を決意した騎士。お互いの境遇に同情した2人の隣人は永遠の友情を誓い合うが・・・。
櫻花舎があす15日から渋谷ジァンジァンで「恋の不意打ち・その2」を上演する。これは18世紀フランスを代表する劇作家マリヴォーの作品。恋に振り回される人間の微妙な心のひだがシニカルかつコミカルに描かれる。「いつの時代にも通じる人間喜劇として、その面白さを味わってください」(演出・守輪咲良)。出演=天祭揚子、博田章敬ほか。17日まで。
※天祭揚子・松森光明・博田章敬の写真付
NO.10 ■1994年2月16日 朝日新聞
マリヴォーにこだわり第6弾
櫻花舎が「二重の不実」
十八世紀フランスの劇作家マリヴォーの喜劇を連続上演している櫻花舎(おうかしゃ)が、その第六弾「二重の不実」を十八日から二十日まで、東京・渋谷ジァンジァンで上演する。
櫻花舎は演出家・守輪咲良を中心に、一九九二年からマリヴォーの劇を専門に上演している。
一九七〇年代以降、ヨーロッパではフランスを中心にマリヴォー再評価の動きが強まり、多くの劇が復活上演されているが、日本では「愛と偶然の戯れ」「偽りの告白」などの有名作品以外は、まだあまりポピュラーになっていない。
櫻花舎は九二年に本邦初演の「遺贈」を上演して以来、「試練」「恋の不意打ち」などマリヴォー劇ばかり上演してきた。
今回上演の「二重の不実」(鈴木康司訳)は、愛し合う農民の娘とその恋人が、宮廷人のたくらみにあって、それぞれに愛の相手を変えていく物語。
演出の守輪咲良は「フランス古典喜劇の中でも、マリヴォーの劇は黒い笑いと仕掛けのおもしろさが魅力。「二重の不実」も愛と権力をめぐるスペクタクルです。これからもマリヴォーにこだわって上演活動を続けたい」と語っている。
出演は安斎勉、桜木宏子、世家聖絵、博田章敬、英丘礼資ら。
※桜木宏子、博田章敬、英丘礼資、三山馨雅の写真付
NO.11 ■1994年2月16日 読売新聞
マリヴォーの上演 6作目
櫻花舎「二重の不実」
フランスの劇作家マリヴォーに取り組んでいる櫻花舎は、十八日から二十日まで東京・渋谷ジァンジァンで、「二重の不実」(訳=鈴木康司、演出=守輪咲良)を上演する。
領国内の娘との結婚を国法で義務付けられている王子が、狩りの途中で農民の娘に一目ぼれする。しかし、彼女には相思相愛の恋人がいた。その恋人と共に宮殿に拉致(らち)された娘は、王子の家臣の娘の巧みな心理操作で・・・。
「昨年十月から連続上演を始めて、今回で早くも六作品目になります。回を重ねるに従って、高校生が大勢見に来てくれるようになりました」と守輪。
「私見ですが、今の高校生は恋愛の過程を楽しんだり、悩んだりしなくなったので、逆に恋の物語に引かれるのかもしれません。女の虚栄心を突き、それが功を奏して行く過程が面白いですね。ジャン・アヌイは、この作品を優雅な犯罪の物語と呼んでいます。」
十八世紀の作品を現代日本の、自分たちの作品として上演するという。博田章敬、三山馨雅、英丘礼資、桜木宏子らが出演する。
※桜木宏子、博田章敬、英丘礼資、三山馨雅の写真付
櫻花舎「二重の不実」
櫻花舎「二重の不実」(マリヴォー作、鈴木康司訳、守輪咲良演出)18日―20日、東京・渋谷ジァンジァン。
ヨーロッパでの人気のわりには、わが国ではあまり上演されないフランス十八世紀の作家マリヴォーの戯曲ばかりを取り上げている同劇団によるシリーズ第六弾。
ある王子が狩りの途中で農民の娘シルヴィアに恋するが、彼女には相思相愛の恋人アルルカンがいた。王子は二人を宮殿に監禁して、心変わりを迫るがうまくいかない。すると、王子の家臣の娘がアルルカンにひかれているのをいいことに彼を誘惑したり、二人をぜいたくざんまいに歓待する。若い二人はその作戦にのりはじめ、シルヴィアの気持ちも次第に王子に傾いていく・・・。
権力が無垢な少女の心を変えていく過程を描く過程を描く物語で、ハッピーエンドの中に隠された怖さが見どころ。
※博田章敬、桜木宏子、安斎勉、英丘礼資、三山馨雅、写真付。
愛憎の悲喜劇「変装の王子」
櫻花舎が上演
十八世紀に活躍したフランスの劇作家マリヴォーの戯曲の連続上演を続けている櫻花舎(おうかしゃ)が日本初演の「変装の王子」(井村順一訳、守輪咲良演出)を九日から十二日まで東京・渋谷のジァンジァンで上演する。
マリヴォー・シリーズの第七弾となる「変装の王子」は、マリヴォーの劇としては異色のスペイン風悲喜劇。王族の男女たちが演じる、愛と友情としっとをめぐるドラマだ。
演出の守輪咲良は、「冒険とスリルとロマンにあふれた英雄喜劇で、役者のおもしろさをどこまで引き出せるかが課題です」と語っている。出演は天祭揚子、菅原あき(無名塾)、阿部麻子、華島光陽、安斎勉ら。
櫻花舎のマリヴォー全作上演
第8弾は「贋の侍女」
マリヴォーの全作上演に挑んでいる櫻花舎は、二十四日から二十七日まで東京・渋谷のジァンジァンで、第八弾として「贋の侍女」(訳=佐藤実枝、演出=守輪咲良)を上演する。
レリオ(華島光陽)は、婚約者である伯爵夫人(阿部麻子)の館に美男の騎士(天祭揚子)を招待する。騎士に伯爵夫人を誘惑させて、婚約を破棄しようというのだ。レリオには最近、金持ちの令嬢との結婚話が持ち上がっていた。ところが実は招待した騎士こそ男装の令嬢だった・・・。
「一七二四年の初演時、美人女優の男装が評判になったそうです。」と守輪は言う。「この作品は、舞台上での性転換が放つエロチシズムを狙った現代的な作品ですが、ハッピーエンドとは程遠い、マリヴォーの中でも異色の作品です」。
※天祭揚子、華島光陽、阿部麻子、写真付。
9作目のマリヴォー
「うまくいった策略」
櫻花舎・本邦初演
十八世紀フランスの喜劇作家、マリヴォー作品を連続上演している櫻花舎は、八日から十一日まで東京・渋谷のジァンジァンで、「うまくいった策略」(訳=鈴木康司、演出=守輪咲良)を本邦初演する。
ドラント(今 裕幸)は、熱愛している伯爵夫人(勝田裕子)の浮気に気づく。お相手は侯爵夫人(天祭揚子)の恋人だった騎士ダミス(博田章敬)。振られた二人は、恋人同士になりすまして・・・。
守輪は「追いかければ逃げる、逃げれば追いかけるという、よくあるパターンに現代性を感じる。弱い男性と強い女性が逆転するプロセスが、現代の若い男性にとっての恋愛マニュアルになっている」と語る。
マリヴォーの上演は、これで九本目。すっかり病み付きになった守輪は自ら戯曲の出版も始めた。これまで「贋の侍女」(訳・佐藤実枝)と「変装の王子」(同・井村順一)の二冊を発刊した。
「古典といっても、日本の現状と見合っている。善やら悪やらが、ごっちゃになっていて、やればやるほど面白い。高校生や母子連れなど、若い人が客席に増えてきた。一緒に面白がって欲しい」。
※伯爵夫人勝田裕子写真付
マリヴォー劇の第9弾
「うまくいった策略」
櫻花舎が上演
十八世紀フランスの喜劇作家マリヴォーの劇の連続上演を続けている櫻花舎が、シリーズの第9弾として本邦初演の「うまくいった策略」を守輪咲良演出、鈴木康司訳で八日から十一日まで東京・渋谷のジァンジァンで上演する。
今回の上演作品は、男性に愛されることに慣れ、新しい刺激を求める伯爵夫人を中心に展開する恋愛喜劇。マリヴォー特有の笑いと残酷さに富む作品だ。
演出の守輪は「愛されることを当然と考えるプライドの高い劇中の女性には、日本の現代の女性を感じさせるものがある」と語っている。
同劇団はマリヴォー劇の上演と平行して、マリヴォーの戯曲が手軽に読める単行本シリーズ「咲良舎ドラマ・コレクション」の刊行を進めている。昨年秋に出た第一弾「贋の侍女」に続き、「変装の王子」(定価九百円)がこのほど刊行された。
※勝田裕子、博田章敬 写真付
櫻花舎・マリヴォーシリーズ第10弾!
「いさかい」、「奴隷島」
ジャンジャンが贈る、恋愛劇とユートピア劇
1992年にスタートした渋谷ジァンジァンでスタートした「櫻花舎・マリヴォーシリーズ」。今回は、テーマを絞り一幕物2本立て公演として登場。第10回を迎えるにあたり初の試みを採用している。作品はマリヴォーの初期作品「奴隷島」、晩年の「いさかい」の2本。
主人に反抗し逃亡した奴隷たちの国を舞台に、身分制度に焦点をあてた「奴隷島」(本邦初訳・本邦初演)。「いさかい」(本邦初演)は、森の中で隔離されて育てられた男女4人を通し、アンチ・ユートピア的帰結を示す哲学的実験劇だ。
櫻花舎は、これまでと一味違ったマリヴォー作品を選んだ今回の公演で、18世紀ユートピア思考を喜劇として楽しませてくれる。
【マリヴォー】
フランスの劇作家、小説家。1720年イタリア座上演の散文喜劇で成功をおさめ、以後約20年間、イタリア座と密接な関係を保ち、散文喜劇で才能を発揮した。彼の戯曲の主題は恋愛。そして主人公には女性が多い。恋愛心理の微妙さを洗練された文体で鋭く表現した作家。
※写真付
ユートピア主題の劇を2本立て上演
「櫻花舎」が22日から
十八世紀に活躍したフランスの劇作家マリヴォーの作品の連続上演を続けている「櫻花舎(おうかしゃ)」が、ユートピアを主題とする一幕劇「奴隷島」と「いさかい」を二十二日から二十六日まで、東京・渋谷のジァンジァンで二本立て上演する。ともに本邦初演で、演出は守輪咲良(もりわ・さくら)。
「奴隷島」はマリヴォーの初期の喜劇。難破して、奴隷の共和国にたどり着いた貴族と奴隷の男女が身分の交換を命じられ、新しい運命をたどる物語だ。今年、イタリアの名演出家ジョルジョ・ストレーレルがミラノとパリで演出し、反響を呼んだ。
「いさかい」=写真はけいこ風景=はマリヴォー晩年の実験劇。森の中で互いに隔離され、育てられた男女四人の出会いとその後を描く反ユートピア的な作品だ。演出の守輪は「人間のエゴイズムとナルシシズムの究極の姿を浮かびあがらせる点で、日本の世紀末にも通じる」と語っている。
出演は華島光陽、英丘礼資、天祭揚子、博田章敬ら。
※阿部麻子、済川洋輔、写真付
人物スイッチON
“精神的サド・恋愛コメディー”上演で大ウケ 劇団「櫻花舎」代表
守輪咲良さん
18世紀の仏作家作品がなぜか現代っ子に評判
「精神的サディズム」をテーマにした18世紀フランスのコメディー作家マリヴォーの恋愛戯曲ばかりをシリーズ上演、「情報社会・トレンディードラマ育ち」の心理ゲームにあざとい現代っ子から熱い支持を受けている劇団がある。名前は「櫻花舎」、率いるのが演出家の守輪咲良さんである。6月7日から東京の青山円形劇場で上演される第10弾「愛と偶然の戯れ」は、互いの顔も知らない貴族のいいなずけカップルが結婚話を承諾する前に相手の「人となり」を確かめようと自分の召し使いと身分をスイッチ、2組4人がフランス版“男女4人物語”をくり広げるストーリーだとか。
若い子はゲーム感覚で見てる
米で名門の演劇学校へ
「櫻花舎」によるマリヴォー上演は92年にスタートし、今回でシリーズ第10弾、マリヴォーは、18世紀フランスの喜劇を中心とした恋愛戯曲作家だ。20世紀は80年代に入ってからブームが起きた。本来「繊細優美な恋愛喜劇」として解釈されてきた作品の、裏に隠された“精神的サディズム”が「現代的」と再評価され、90年代に入っても本国フランスでは相変わらずの上演人気が続いているという。
今回同劇団が上演する「愛と偶然の戯れ」は1730年にパリで初演。貴族と召し使いという2組の男女が、貴族カップル組の結婚話を前に、共に互いの身分の上下をいつわり相対することで相手の人格を見極めようとするコメディ仕立ての恋愛心理劇である。
2組共に相思相愛となるが、主従関係が逆転したため社会的立場も変化する。となればそこに「玉の輿(こし)に乗れるか否か」といった野心、「財産や虚栄心を捨ててまでこの相手を愛せるか」や「自分が召し使いふぜいにホレるわけがない」といった心理が発生、「うそ」の上に立脚した2時間15分に及ぶ丁々発止のやり取りを通じてチラリチラリとそれが漏れて出て――というストーリーだ。
一連の変装ゲームは、実は貴族男女双方の親は了承済み。が、観客は若い4人がくり広げるこの「戯れ」が、狭い貴族社会の中で社会的地位も名誉もある侯爵家に属す主人公の親にはからずも伝わったりしたらタイヘンなのでは、と老婆心でハラハラする。
深刻に考えちゃう私の世代と受け止め方違う
今は物事の本質問う時代
「基本は喜劇だし、その「精神的サディズム」の部分が気に入ってやってるんだけど、私の世代って何でも受けとめちゃうんですよ。でも今の若い子は情報社会でトレンディドラマとかを見て育ってて、受けとめ方が違いますね。内容には『変装の遊戯性』もあるからゲーム感覚で楽しんでるし、追い詰められてポロッなんて状況を期待してか、若い観客のウケは本当にいいですよ」
守輪さん自身は、ネアカな人らしい。言動は天真らんまん。身振りが大きく、早口でじょう舌。堅い演劇論を語っても思考は柔軟だが、会話に詰まるとさかんに頭をかき、「何ていうのかな〜ほらっ」と懸命に言葉を探す。その姿は失礼ながら、放課後のドーナツ屋で額つき合わせ、テスト勉強に余念がない女子高生を連想させる。
てらいもない。劇場関係者が苦笑する。「彼女が単身初めてウチに乗り込んできて上演企画を売り込んだ時は、僕はまるでヘビににらまれたカエルでした」。飲み込まれる、この人とは“常識”で話してもダメだと思ったそうだ。「会話はおよそかみ合わない、でも「何か」は持ってる。その「何か」の見当こそつかないけど、とにかく芝居だけは見てみないとと強く感じて。なにしろ迫力がありました(笑い)」。横の本人も自覚の上か、楽し気に笑っている。
思い立ったら吉日。付和雷同を嫌う姿勢は渡米10年の生活で鍛えられたようだ。高校時代からオーケストラでバイオリン一筋だったが、70年代安保闘争で、「時代のすう勢は演劇」と転向。大学4年時に賀原夏子主宰の「劇団NLT」に加わり没頭する。ニューヨーク在住の同劇団講師の知己を得、「どうせ(演劇)やるならニューヨークよ」の賀原さんの勧めもあって卒業式もそこそこに渡米。日本領事館で働きつつアメリカ人7〜8人とロフト生活し2年後、難関と評判のリー・ストラスバーグ主宰の演劇学校で、ロバート・デニーロやアル・パチーノの隣で演技修業する幸運をつかむ。
そもそも渡米目的は、「米で俳優になること」ではなく「米国式演技訓練方法の修得」。だが、日本人の米演劇界における居場所の少なさ」を滞在が長くなるにつけ実感、10年目に帰国した。「根無し草になりたくなくて」。
周囲は半年持たないゾと笑ったというが案の定、「不遇の10年」が待っていた。
「教える側の(私の)常識と教わる側の(生徒の)常識との間の、ずれが激しくて」
日本人が謙虚だった70年代に出国、リッチになって国中に虚構がまんえんし始めた80年代初頭の日本に帰って来たから、ギャップが激しかった。「あの先生コワ〜い」と、講師を始めた演劇学校の生徒は10分の1に減った。
「バブルがはじけて今やっと、生徒と私の間の空気がかみ合う気がします。物事の本質とか一番大事なことを問う時代になって来て、マリヴォーがウケるのもそのへんに理由があるのかも」
※守輪咲良写真付
7日から9日まで東京・青山円形劇場で「櫻花舎」上演するマリヴォー作「愛と偶然の戯れ」のメインキャスト4人として、阿部麻子、天祭揚子、博田章敬、英丘礼資の写真付